全ては、このアルバムにたどり着いたところから現在に至るのであるが、
このアルバムと出会っていなければ、今聞いている色んな音楽の聴く姿勢も違ったものになっていただろう。
ジャケットワーク、サウンド、筆者にとってこのアルバムを超えるものはまだ現れない。
1曲目の「Tom Violence」の金属的なギター音で始まる
こんな鐘の音の様なギター音を聴くのはSonicYouthが初めてだった。
気だるく重いサウンドが淡々と進んでいく、間奏は一般的に想像するギターソロではない。
分厚くぬり重ねられたノイズ音が入り交じる。
2曲目の「Shadow of a Doubt」も気だるいメランコリックな曲だが、ベースのキムゴードンがリードボーカルにかわり、1曲目と少し違った気分転換となる。
3曲目「Star Power」とこのアルバムの1曲目から3曲目の流れは絶品である。
この「Star Power」がこのアルバムでもっともポップな仕上りと言える。
少しテンポは速くなり重い空気の中にも何かキラキラした星空を連想する様な気分になる。
アナログ版のラストの曲である「Madonna, Sean, and Me」は時期によってタイトルが変わっているようだ。ライブ版などでは「Expressway to your Skull」というタイトルになっているのだが、もしかしたら歌詞を変えているのかもしれない。
「Bad Moon Rising」のツアーだと思うが、この頃からこの曲は演奏していたようで、
以前映像見たがその演奏はすばらしくたまらなく良いのだ。
アナログ盤のアルバムだと、この曲の終わりは溝がループになっていて針を上げないと終わらない。永遠とギターの残響音とハウリングが響くのだ。
この曲のノイズアンサンブルの音圧は、CDでは再現出来ていない。
可聴範囲を超えた音がレコードには記録され再現出来るためではあるが、
残念です。
このアルバムでギターノイズの素晴らしさに引き込まれた。
ギターノイズも色々あるのだが、SonicYouthのノイズは計算の上に発せられている
アンサンブルとして成立している。
「何をしているのか分からん」という人もいるだろうが、
風邪を引いて平日の昼間寝ていた時にふと目が覚めて聞こえてくる
外の騒音に似てもいる。聞こえてくるまま自然に受け止めればいいのだと思う。
ギターノイズの隙間に入ってくるシンプルなピアノ音の様なメロディは、
心地のよい夢に引き込まれていくようでもある。
全般的には、気だるいメランコリックな曲の数々なのだが、
穴が空くほどアナログ盤を聴いたので今でも2枚持っている。